社会人になって働いていると、急に将来のことが不安になることがあるんだ。
そういうことが今まで何度もあり、取ってきた資格が、ハングル検定や簿記などたくさんある。
たぶん資格を取ることで、
「これだけランクアップした自分なら、この業界でもこれからも大丈夫!」
と自分に言い聞かせているんだよね。
そして今回は、
「このグローバルな時代に、英語1つ話せなくていいのか?」
と急に不安になり、コンビニで英会話の本を購入した。
「ほほう、案外簡単な表現でいいんだ。」
と思いながら、声に出して練習を続けました。
1人暮らしの部屋に、日本人なまりの怪しげな接客英語が乱反射する、かくも奇妙な光景であったと思います。
「こんなに簡単な表現で話せるなら、実は英会話は楽に習得できるのでは?」
そう安易に思ってしまったことが、地獄の始まりでした。
[オンライン英会話でトレーニングを考える]
私は何かを覚えると、周りにその知識を披露したくてたまらない性格なので、職場でも英会話マンになっていました。
そしてとうとう、職場でも呆れられたのか、
「そんなに英語が話したいなら英会話教室にでも行ってこい!」
と言われてしまいました。
「そういえば女優の石原さとみさんも英会話をやっていたなあ。」
私は石原さとみさんが大好きなので、オンライン英会話もいいんじゃないかと思い始めました。
仕事が終わると、さっそくオンライン英会話のサイトを探し始めました。
[いざオンライン英会話の世界へ]
私は極度の人見知りなため、あちらもシャイな方だとどうしようもありません。
どうせなら、ビリーズブートキャンプのビリー隊長みたいな、陽気な黒人ボーイに先生をしてもらいたいと思い、オンライン英会話のサイトをめぐりました。
なるほど、少しでも日本語ができる人を集めようと、オンライン英会話業界ではアジアの人を多く集めている印象です。
出典:レアジョブ
そして、英語の英才教育が受けたいという方向けに、ヨーロッパ、アメリカ系の人も揃えているところもあります。
どこのサイトも大体はこのような印象でした。
そこで、私好みの黒人を見つけて、スケジュールなどを確認した後、お願いしました。
[自己紹介は順調に]
さて、夜の10時頃に、陽気そうな顔をSkypeのプロフィールに貼り付けた黒人から、ビデオ通話がかかってきました。
「Heeeeeeeelloooooo!!!」
「Hhhhhhhh!OhYeah!!!!」
と、高らかに声を出して、チェケラッチョのポーズを取って話しかけてくると思っていたのですが、、、
「Hello,My name is Billy(仮名).Nice to meet you.」
みたいな普通の始まり方をしました。
「Thank you. Nice to meet you too. My name is Tarou.My Nickname is Tarochan.」
「OK,Nice!Tarochan!」
流石は黒人の教師さんです。
何でもないところでも褒めてくれます。
こういう自信をつけてくれる教育は、日本にあまりないですよね。
そして私も、これ以上の英会話は学校で習っていないので、ズタボロになっていくのです。
[単語と文法が出てこないのです]
まず相手の言葉なのですが、おそらくものすごくゆっくり言ってくれているにも関わらず、断片的な意味しか拾えませんでした。
「(なんちゃらこんちゃら)easy English lesson.(ほにゃらか)」
のような感じです。
とりあえず、簡単な授業をするから、安心してくれたまえ、俺がなんとかするから!みたいなことを言っていたのだと思います。
「Yeah!」
とノリで適当な返事をします。
ここで、私の携帯からアラームが鳴り響きました。
持病持ちなので、深夜まで起きているなら、お薬の時間だったのです。
[薬飲んでくるね!ビリー!]
「Sorry,Billy,I need to drink medicine. Please wait a 3 minute.」
まあこれで合っているのかはわかりませんが、私の中学生英語ではこう言うのが限界でした。
ビリーも
「OK」
と返してくれたので、通じていなかったとしてもまあ3分は待っていてくれるでしょう。
薬と3分待って欲しいということだけは絶対に通じていたはずです。
私は、錠剤の薬を、子供の頃に喉につっかえて吐き出してしまった経験があり、それがトラウマで今でも錠剤の薬を飲むことができません。
おかげで、いつも飲み薬は漢方などの粉薬なのですが、これが本当にまずいんです。
水だとどうしても飲めないので、甘い飲料でごまかして飲んでいるのですが、それでも吐き出しそうなくらいの味です。
しかしこれを飲まないと関節痛などが楽になりません。
「にっが!おぇー!にっがい、にっがいよ!」
と、あまりのまずさにいつも叫んでしまうので、その日も大声で言いました。
はい。
「にっが!」と、たしかに私は言いました。
「おぇー!」と、たしかに私は言いました。
[さようなら、ビリー]
Skypeの通話画面に戻ると、何やらビリーが不機嫌そうにしています。
「Why did you say Nigger?」
お前なんで、「ニガー(無様な黒人)」っていう黒人に対する悪口言ってたの?と、たぶん怒られました。
(ニガーと黒人に向かって言うのが、アメリカでファッキューを言うくらい危険ということは、中学の時に先生に聞いていたのですが、この時私は言っていたつもりはありません。)
私が、何で「にっが!」って叫んでた?って心配してくれてたのか、優しいなあと思いながら、会話を続けると、もちろんビリーがもっともっと怒り出します。
そしてNiggerとにっがの会話は、平行線に終わってしまったようです。
急にSkypeは閉じられ、メッセージも返してくれなくなりました。
そして、復習用に録音しておいたSkypeの音声メッセージを聞くと、謎が解けたというわけです。
私が「にっが!」と叫んだのが相手にも聞こえていたようで、ビリーが猛烈に怒りまくっているのがわかります。
[同様の事件が、後をたたない?]
Wikipediaによりますと、朝鮮語の「ニガ」や、日本人の「苦い」をNiggerと勘違いした黒人に、暴力を振るわれたという事件が確かに存在するようです。
私はSkypeの授業を閉じられ、英会話サイトのアカウントを凍結され、授業料が戻ってこないというくらいで済みましたが、海外で「苦い」という言葉を発するのは、控えたほうが良さそうです。
英語があまりまだ上達していない段階だと誤解を解くのも大変ですね・・。
日本には日本のタブーが、外国には外国のタブーがあるのでそこらへんも同時進行で学んでいくのが大切だと思いました。
単語と文法の件についてはリスニングやライティングでひたすら数こなして慣れるしかなさそうですね。
私自身も、将来は海外移住を目指しているので英語はぼちぼち学んでいきたいなと思っているところです。
お互いに頑張りましょう!!
これは、、怖い話ですね。途中まで読んでいて、気を付けよう。という気持ちになりましたが、同様の事件が実際にあるというのを読んで、益々怖いなぁと思いました。近年日本でもよく外国の方を見かけるようになってきたので、トラブルにならないように気を付けたいですね。誤解を解けるくらいの英会話力も無いと危ないんだなぁと。思いました。
とても勉強になる話です。要するに危機管理ですよね。
一時相手を怒らせたとしても、英語で納得させる説明ができれば何の問題もないわけで、それができないレベルの英語力ではオンライン英会話(英語しか話せない講師)を利用するのは止めたほうがよさそうです。