「I saw him sleeping masturbationing.(訳:彼がオナニーしているのを見た)」
「The Film director saw the actor of adult video.(訳:監督はついにアダルトビデオの俳優たちと会った)」
「The nurse saw sex treatment through my illness.(病気の間、看護師が性処理の世話をしてくれた)」
――[saw]という同じ英単語なのに、「見た」「会った」「世話してくれた」など、さまざまな意味で扱われる……そんな英単語のことを『多義語』と呼びます。
英語の学習において英語上達を阻害する“厄介なポイント”のひとつとして言われていますけれど、それは大きな勘違い。
英語が苦手な人こそ、この『多義語』をマスターすることが英語上達の近道。
『多義語』にはいろいろな意味があるので、ひとつの単語を覚えておけば、わざわざそれぞれの駒かな行動に併せて複数の英単語を覚える必要はなくなり、さらにまた外国人の『多義語』の使い分けにも柔軟に対応できるようになります。
そこで此度は、いろいろな意味を持ちひとつ覚えれば複数の場面で扱うことのできる“便利な多義語”を数種類まとめてご紹介!
ぜひ、英会話学習に役立ててください。
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≪便利な多義語≫
【see】
① ……見える/……を見る
② (ロボットが)……視界にとらえる/……認知する
③ ……見物する
④ ……訪問する/……見に行く
⑤ ……が分かる/……理解する/……了解する/……知っている
⑥ ……とみなす
⑦ ……を予見する/……を想像する
⑧ ……体験する
⑨ ……を黙認する/……をほっておく
⑩ ……ろ会う/面接する
⑪ 交際する
⑫ よく見かける
⑬ ……を世話する/……援助する
⑭ ……に取り計らう/……配慮する
⑮ ……を送り届ける/……案内する
⑯ ……を読む/……を見る/……を参照する
⑰ ……について考える
⑱ ……を調べる/……に注意する
⑲ ……を考えておく/……可能かどうか調べておく
⑳ ……を追い払う/……を見送る
――[see]は、数ある英単語のなかでもトップクラスに多彩な意味を持つ単語です。
ひとつ覚えれば、約20種以上の単語を覚えるのと同じくらい便利ですので、必ず覚えておきましょう。
【down】
① 高い所から低い所を指す/下の方へ
② 降りる
③ 倒れる/沈む
④ 座って/横になって/身をかがめて
⑤ (身分や地位、評判など)が下がって
⑥ (音量や価格、調子など)が下がって
⑦ (風や温度、湿度など)が下がって
⑧ (濃度や強度、勢いなど)が弱くなって
⑨ (都会から)地方へ
⑩ (地図や方向などにて)南へ
⑪ (順序・序列の初めから)終わりへ
⑫ (時代が)後期へ
⑬ 本気で/本腰を入れて/積極的に
⑭ (紙に)書き留めて/(文書・名簿に)記録して
⑮ (予約申込などの)リストに名前が載って
⑯ 頭金として現金で
⑰ (喉を通って)腹のなかへ
⑱ すっかり/まったく
⑲ 根源まで/最後まで/実際にあるところへ
⑳ 風下へ
――[down]と言えば、音量を下げたり、ボクシングで倒したりなどしたときのみに使われるというイメージがありますよね。
けれども実際は、[down]だけでも、英会話でいろいろな表現に役立てられます。
【like】
① (外見・形・性質などが)同じの/(数量・価値などが)等しい
② と似通っている/類似性をもつ
③ ……しそうで
④ (外観・内容などが)……に似て/……みたいで
⑤ ……と同じやり方で/……らしいやり方で/……に匹敵する
⑥ ……として
⑦ ……の特性を示して/……らしく
⑧ ……が起こりそうで/……する兆候を示して
⑨ ……をしたい気持ちで
⑩ (たとえば)……のような
⑪ (手順などを示しながら)こんなふうに
⑫ 突然/あっさりと/すぐさま
⑬ いわば/言ってしまえば
⑭ その/まぁ
⑮ ……とか
⑯ たぶん/おそらく
⑰ あたかも/まるで~のように
⑱ ……に似た人/……のような人
⑲ ……を好む/……を気に入っている
⑳ ……して欲しい
――[like]と言ったら『好き』って意味だけだと思っている方は少なくないはず。
しかし、[like]にはさまざまな(しかも、別々の)意味が備わっているため、外国人から[like]と言われても『好き』という意味ではないので注意しましょう。
【go】
① ……へ行く/進む
② ……をしに行く
③ (交通手段で)……行く
④ ……が去る/……が出掛ける/……が出発する
⑤ (土地や物など)……が伸びる/……広がる
⑥ (コンピューターなどが)動く/作動する
⑦ (鐘などが)鳴る/音を立てる
⑧ (脈が)鼓動する
⑨ (動物などが)鳴く
⑩ (事が)運ぶ/進展する
⑪ (物などが)なくなる/消える
⑫ (時間などが)過ぎる/経つ
⑬ (身振りなどを)する/(動作を)振る舞う
⑭ ……が承認・信用されている/……が知られている
⑮ (鐘や時間などが)費やされる/浪費される
⑯ (ある金額で)売れる/売られている
⑰ (……手段で)訴える/頼る
⑱ ……を続ける/(ある状態に)ある
⑲ (物がある場所に)収まる/置かれる
⑳ (ウワサなどが)広まる
――[go]と言うと「どこかへ行く/向かう」という印象が強いですけれど、どちらかと言えば[go]は「押し広げられて行く」という意味を含んでいます。
何かが進んだり、広がって行ったりなどの意味を感じ、他の意味が思いつかないようであったら、[go]という単語を利用しておけば問題ありません。
日本語でも一つの単語に多くの意味が含まれています。
英単語でも同じことですよね。でも一覧にしてもらった物をじっくりと見ているだけで目が回るような気分になりました。全てを覚えることはとても大変!
中には一般的ではない用法も含まれているはずなので記憶イコール表現力のアップということに直結する保障はされないことも考えなければならないのでしょう。
正確な答えが、数学の様式のようにならないところが語学の面白くて絶妙で微妙なところなのです。
英語を母国語とれている方が日本語でこれだけの意味を持っている、ということを知らされれば、我々日本人にとってよりもきっと大きな驚きとなるはずです。
恥じることもないけれど、感動するということともまた別なのですね。
言語の壁の問題は人類最大のテーマかも知れません。
この無限で重厚な壁に挑み続ける勇気のある人だけがより善き答えに近づける気がします。