もくじ
[英会話を始めたくなった理由]
英会話を始めたいと思うのには、皆それぞれ理由があると思います。
私が英会話を始めたいと思い始めたのは、都会のある大型デパートで地方の名産品を販売するアンテナショップを開いたことがきっかけです。
当初の私のマインドは、都会の人に地方の良さを知ってもらうことでした。
しかし、このマインドは既に古いものになっていたことにすぐに気づかされました。
まず、アンテナショップの客層が私のイメージしていたものと、80%くらい違っていました。
アンテナショップといえば、買い物好きなおばちゃんやお土産に困った観光客が訪れる場所だと私は思っていました。
ですが、いざオープンしてみると、お客さんの3~4割程度が外人なんです(アジア系、アラブ系、欧米系など本当に様々でした。)
[ライバルとの差を痛感する]
私が頭の中で、
(あー、外人さんたくさんいるーー、話しかけられたらどうしようーー。)
と悩んでるのも知らずに、外人さんはガンガン質問してきます。
外人さん「ぺらぺらーの?(商品の材質や製法について聞いている)」
私「あはははは(何言ってるのかまったくわからないから答えられないよー!)」
といった風に、愛想笑いをしている内に、外人さんはこりゃだめだみたいな顔をして去っていってしまいました。
周りはどう対応しているんだろう? と思い偵察に伺うと、皆さん和英中韓の文字で書かれた商品の説明ボードを作っていたり、小型のモニターで映像を流していたりと、できる限りの対応をしていました。
なんと、65歳くらいのおばあちゃんまで、しっかりと、何か聞かれたら、
「それはそこに書いてありますよー。」
と、笑顔で指をさすくらいの対応はできていました。
[アンテナショップの営業を終えて]
3日間、大型デパートでアンテナショップを運営させていただいたわけですが、なんだか胸にはどんよりとしたものが残りました。
同じ日本人のお客さんには、地元の魅力を伝えられたかもしれないけれど、外人さんにはまったく伝えられていません。
それに、周りには外人さんが箱買いしているようなお店もありました。
(もっと自分がうまく英語で接客できたら、少しは変わった?)
そう考え出すと非常に悲しくなり、涙が止まらなくなってしまいました。
そして、私は英語で接客ができるようになろうと、オンライン英会話を始めることにしました。
[語学は韓国が強い]
オンライン英会話では、講習内容をおまかせすることもできますが、自分の望む講師に、自分の好きな内容を教えてもらうこともできます。
最初、苦手意識を無くす為に白人系の講師に教えてもらおうと思ったのですが、友人に相談すると韓国の講師の方が熱心だと言われそちらにしました。
まず、白人講師がダメな理由としては、他の欧米系の言葉は何ヶ国語も流暢に話せるのに、日本語だけカタコトなので、接客を教わりたいのなら日本語がたいてい流暢な韓国系の方が良い。(ただ韓国にはツの発音がないのでツ→スになるのが玉にきずらしいです。)
そして、韓国では受験勉強の競争率が日本よりも高く、本当の英語を知っている。ということも言われました。
何でも、他の英米以外の白人やアジア人はなまりがきつかったりして本場の英語とはまた違うものらしいです。
受験戦争が激化している韓国では、スパルタで本場の英語を叩き込んでいると言われました。
確かに昔、泣きながら勉強している韓国の子供をテレビで見たことがありました。
そんなにお勧めなら、と言う事で韓国人の女性講師を選びました。
[学校の先生のような存在ができました]
さて、初めての授業です。
女性講師の名前は、チョさん(仮名)とします。
チョ「Hi!」
いきなり元気よく挨拶されました。
少しびっくりして戸惑っていると、
チョ「お客様への挨拶は<Hi!!>だからね。Repeat after me!」
と、言われてしまいました。
チョさんは1秒も無駄にできない体質のようでした。
私「Hi!」
講習は5回ほど受けたのですが、毎回「Hi!」で始まるのが定番でした。
チョさんとの会話は主に日本語で行いました。
なぜなら、私が日常会話レベルも英語では怪しいのと、あくまで接客ができる程度の英語を覚えることがメインだからです。
例えば、お客さんの英語が早すぎて、どう頑張っても解読できなかった場合は、聞き返さなくてはなりませんよね。
そういうシチュエーションを想定した授業がメインとなりました。
チョ「よく聞こえなかった時は何て聞く?」
私「パードゥン?」
チョ「うーん。それでもいいけど。Excuse me? の方がカジュアルかもしれないね。」
このような感じに、新しい知識を付け加えてくれるのはうれしかったです。
チョ「観光客って基本的に何が聞きたいと思う?」
私「え? 産地とか、製法とか、価格? あとは内容量とかかな。」
チョ「そこまでわかってるなら、なんでその辺の単語を勉強しないの? 例えば in だけ聞き取れたとしても、内容量のことかな?って推測できるよね?ね?ね!?」
私「あー・・・なるほど・・・。」
うん。やはり受験戦争を勝ち抜いてきただけあって、どう効率よく学ぶかについて話すときは、声も顔も怖くなっています。
本当に怖いです。
あんた馬鹿なんじゃないの? というオーラが一瞬だけ伝わってきます。
でもそういう文化ですからね、あちらは師弟関係に厳しいですので。
ですが、指摘されることはいつも的確で、中学生や高校生のときの教師とは全くレベルが違いました。
例えるなら、日本人教師は接客英会話を教えるときに、とにかくアルファベットから教えて、韓国人教師は上に書いたような効率を考えてから教えてくれます。
[英語の感覚が変わったのを実感する]
5日目の最終日、チョさんと私は今までの学習の確認を行っていました。
今までの全部聞き取ってすみからすみまで、という感覚ではなくなっていました。
よくコンビニでおいてある5日間で最低限の英語みたいなことを本当にチョさんはしてしまいました。
接客業、しかも観光客限定ならば、ほとんどの応答は単語さえ聞き取れれば可能だということをチョさんが私に教えてくれました。
これを生かして、次回の出店では1番の売り上げを目指します!