こんなフレーズを見たことがある人も多いはず。
『初心者歓迎』という言葉につられて、うろ覚え程度の英語知識で『オンライン英会話』に挑戦してみたものの、先生の言っていることが何がなんだかチンプンカンプン。
先生:Hello! Nice to meet you.(訳:こんにちは! 初めまして)
○○:は、ハロー
先生:Are you nervous?(訳:緊張してるの?) How are you feeling?(訳:気分はいかがですか?)
○○:ナーバス? フィーリング? ……?
先生:Please relax.(訳:リラックスしてください) take it easy.(訳:肩のチカラを抜いて)
○○:リラックス?
先生:YES. スーハースーハー(深呼吸) Let’s relax together.(さぁ一緒にリラックスしましょう) スーハースーハー(深呼吸)
○○:スー……ハー?
本物の初心者が英会話を行うと、たいてい上記のような会話になります。
なんせ、平均レベルの高校や大学を経て、社会人になったあとであらためて英会話を学ぼうと思っても、それこそthat ship has sailed(訳:時すでにおそし)。
「中学生程度の英語力はある」なんて自称している方の大半は、中学生程度の英語力を持ち合わせていません。
YESとNOと、その他の英単語を数十から数百種類くらい覚えている程度がほとんど。
もし本当に中学生程度の英語力を備えているのであれば――
I have English force of about junior high school students.(訳:私は中学生程度の英語力を持っている)
――とスラスラ言えるはず。
それにまた、日本でいう“中学生程度の英語力”というのが、英語圏ではどの程度のものか、と言えば、それは小学生よりも低い『幼児レベル』です。
英文を構築できず、英単語で返事をするのが精一杯といったところ。
そんな調子で、意気揚々と『オンライン英会話』に挑戦してみても、上記のような会話になるのが関の山であり、学習とは程遠いものになることは、誰しも予想がつくはず。
英語を身につけたくて『オンライン英会話』にチャレンジするのに、学校で学習した程度の英語では、まだ英語・初心者にも満たないなんて……。
では、いったいどうやって英会話を学習したらいいのか。
そこで、『オンライン英会話』を始める前に、自分の英語レベルを確認するための“英語レベルチェック指標”をご用意しました。
英語レベルチェック指標
【初級・初心者】
・英語を聞き取る能力
・簡単な英文を構築する能力
洋画を見た際、字幕を付けなくても英語を聞き取れるか、どうかがポイントです。
聞き取った英語の意味が分からなくとも――
外人「I’m a man, but like the man.(訳:私は男だけど、男が好き)」
自分「アイム ア マン バット ライク ザ マン……ふむ……つまり、ゲイか」
――というように、英文を単語別に分解できれば十分。
ちなみに、「アイムだけは聞き取れた」というように英文の一部のみしか聞き取れない人は、英会話においてまだ初級にすら該当しません。
【中級】
・英語を聞き取り理解する能力
・日常生活~ビジネスで使える英文を構築できる能力
実のところ、英会話における中級は、もうすでに一般的な会話の疎通が行えるレベルのことを示しています。
中級レベルに入っていれば、周囲から「あの人は英語ができる人」という印象を持たれ始めることでしょう。
ただし、うぬぼれてはいけません。
英語で意思疎通ができるというのは、日本でこそ珍しいものの、英語圏では当然のこと。
教育レベルで言えば、英語圏における“小学校高学年~中学生”程度といったところ。
このレベルで英語圏に行ったら、生活に支障はほとんどないものの、外国人には「ロボットみたい」と思われるのがオチ。
日本へやってきている外国人で、よくカタコト喋りをする方がいますが、まさにそのレベルです。
【上級】
・ネイティブかつ早口をなんなく理解できる聞き取り能力
・複雑な言い回しおよび堪能な語彙で英文を構築できる能力
英会話における上級は、もはや英会話を学ぶ必要がないほどの英会話能力を備えているけれども、さらに英語力を深めたい人向けです。
≪0から英会話を学びたい場合はどうしたらいい?≫
「英語力はほとんどないけれど、英会話を学びたい!」
『オンライン英会話』で学ぼうと考えている方の大半は、こういった考えで、いきなり金髪の白人先生やフィリピンの先生などに教えてもらおうと挑戦し、そしておおかた失敗しています。
英語に関してほとんど無知識の状態から『オンライン英会話』で学習する場合は、必ず“日本人の先生”を指名しましょう。
たとえば、英会話学習中に――
「prefer ○ to △(訳:○の方が△よりも好き)」
「prefer ○ instead of △(○は好きだけど△は好きじゃない)」
――というような、2つの類似した英文が出たとき、日本人の先生であれば『英文の意味・違う理由・英文構築の基礎など』を教えて貰えますけれど、もしも外国人の先生であった場合、その“2つの英文の違いについて”の質問ができない可能性すらあります。
英会話のみを学ぶより、英語と英会話を並行して学ぶ方が、学習効率は格段に飛躍しますので、見栄をはらずに初めは日本人の先生を……そして多少、英会話に慣れてきたら、外国人の先生を指名するようにしましょう。
中学生程度の英語力というレベルが、いかに低いものかということがわかりました。たしかに日本人が「中学生程度の日本語ができる外国人」と聞くと、相当日本語が上手だという認識になりますからね。英語が第二公用語になるという目標の下、日本の英語教育のさらなる低年齢化を進めてほしいと思います。