「minute」という単語をご存じだと思います。時間単位を表す「分」ですね。
three minutes to five
5時3分前
などと時間を言う時に使うことは多いと思います。「two minutes」と言えば当然「2分」という意味になります。ところが私は海外旅行中に「two minutes」と言われたのに「2分」じゃなかった!ということがありました。
あるとき、海外旅行中に道に迷ってしまい、近くにいた現地の人に道を聞きました。
Excuse me, where is the nearest station ?
すみません、いちばん近い駅はどこですか?
と言うと、「Just go this way. You can get there in two minutes.」と返ってきました。
お礼を言って、この道をまっすぐね、2分で着くのね、と歩き始めたのですが・・・5分ほど歩いてもまだ駅らしきものがまったく見えません。不安になりながらも、まっすぐと言われたのを信じてさらに5分ほど歩き、やはり駅が見当たらないのでこれはきっと間違ったことを教えられたんだ、と別な人にまた道を聞きました。
すると、「That is the station.」(あれが駅だよ。)と指さしてくれました。日本の駅と違って、建物が駅らしくなくてわからなかったのですが、駅のすぐ近くまで着いていました。
しかし、最初に道を教えてくれた人、「この道をまっすぐ」というのはあっていたものの、「2分」じゃなくて「10分」じゃないの!まったくもう!と内心思ったのでした。
その後、無事に旅行を終えて、帰国すべく空港へ行ったのですが、私が乗るはずの飛行機がフライトキャンセルになってしまいました。そこで、別な便に振り替えてもらうことになりました。係員に、「予定していたのと違う飛行機に乗っていただくので、ここターミナルAからターミナルBへ移動してください。」と説明を受けたとき、
「It takes two minutes from here.」と言われました。
ああ、2分くらいなら歩いていけるな、と思って教えられた方向へ歩き始めたのですが・・・2分歩いてもまだ到着しません。今回は空港だったので、「ターミナルBはこちら」と案内の矢印が出ていたので、方角が間違っているわけではないはずなのですが・・・結局、スーツケースをゴロゴロしながらだったこともあり、到着まで10分近くかかりました。
また「10分」を「2分」と言われたのです。
帰国後、英語に詳しい友人に聞いてみたところ、その人たちは正確に2分を意味して「two minute」と言ったわけではなく、「ちょっと」の意味合いだったのだろう、決して遠くはないけれども、ちょっとだけ歩くよ、という感じを伝えたかったのだろう、と言うのです。
なるほど、そうかもしれません。考えてみれば、日本語でも「歩いてすぐですよ。」と言っても、実際にどのくらい時間がかかるのか、感じ方は人によって違いますよね。私は「2分」を真に受けて、「2分歩いたのにまだ着かない、間違えているんじゃないか」と不安を感じてしまいましたが、そんな必要はなかったんですね。
minuteの意味?
それでは、「minute」にはどういう意味があるでしょうか。「minute」は、最初にお話しした時間の「分」の意味で
It was a ten minute walk.
歩いて10分でした。
などと使えるのですが、そのほかに、「ちょっと」「すぐに」といった意味があります。「ちょっとお待ちください。」と言う時に、
「Wait a minute.」とか「Just a minute.」などと言いますよね。
Can you spare me a minute ?
ちょっと時間もらえる?
などと「a minute」の形で良く使います。
また、
I recognized Lusy the minute I saw her.
見たとたんにすぐルーシーだとわかった。
などと、「瞬間」のような意味でも使います。
「2分」ではない「two minutes」
「minute」には確かに「分」の意味がありますが、「two minutes」と言われたら、「ちょっと」「少し」くらいの意味に捉えておく方が良い場面もあります。
先日、イギリス人の友人と待ち合わせをしていたところ、待ち合わせ時間になって友人から電話がかかってきて、
Sorry, I’ll be with you in two minutes.
ちょっと遅れる(けど、すぐに着く)。
と言われました。
これは「あと2分で着く。」ではなく「ちょっと遅れる(けど、すぐに着く)。」という意味だと思い、2分を過ぎても待っていたのですが・・・結局、この友人、20分も遅れてきました。彼女にとっては20分でも「two minutes」なんですねえ。そんなものだ、と文化の違いを楽しんでおきましょう。
「ちょっと」「すぐに」の言い方
それでは、英語で「ちょっと」は何というでしょうか。
「ちょっと」と言われてすぐに思い浮かぶのは「a little」でしょうか。
a little leisure
ちょっとの休暇
a little water
ちょっとの水
などと不可算名詞に使います。すぐ到着する、というように時間的な意味での「ちょっと」なら、soonを使って、「You can get there soon.」などと言いますね。
「ちょっと」と人を呼び止めたり呼びかけたりするときは、
「Hey, you.」、「ちょっと来て。」なら「Come here!」などと言います。
ほかにも、
There is a slight chill.
ちょっと寒いね。
I'm going out.
ちょっと出かけてくるね。
など、場面に合わせてさまざまな言い方があります。
「ちょっと待って。」も「Wait a minute.」「Just a minute.」以外にも、電話をしていてちょっと待ってほしいなら、「Hang on a second.」などと言います。
「ちょっと考えておくね。」と言いたいときは、「I’ll think about it.」などと「ちょっと」という単語を用いないで言うこともあります。たくさん会話をしてどんどん覚えていきましょう。