「not to mention」
この様な英語フレーズは単語一つ一つを翻訳してみますと、
not ... 否定
to ... へ
mention ... 述べる
となります。
ひとまとめにしますと「~に対して述べない」のような感じになるでしょうか。直接的に翻訳をしてみますと、「述べません」「言わないでおくことに決める」みたいな感じにもなるかと思います。しかし、このフレーズの本当の意味はどうなると思いますか?
実はほぼ真逆で「~については言うまでもなく」とか「それについて付け加えますならば」のようになるのです。
全く別の意味が生まれる英語
そうです、今回の英語フレーズの「not to mention」もよく考えてみますと実まるで真逆のような意味になってしまっています。ですがそれが正しい意味で英語圏ではそのように使われているのです。
これは知らなければ、ある意味とてもトリッキーな難解な英語フレーズだと思います。英語にはこのようなタイプのフレーズが非常に数多く存在しますので、こういったひねくれた感じの真逆の考え方が実はあるんだ、ということだけでも頭の中に入れて置かれますと後々になって様々なそして色々と意味が分かってきて考え方としての汎用性というのも増えてくるかと思います。
ですので、英語のフレーズに対しての感覚みたいなものも含めて覚えておかれるととても役に立ってくれますし、随分とネイティブスピーカーに近づいた思考が出来るようになるでしょう。
「not to mention」の英語フレーズの上手な使い方
この英語フレーズですが、英語の辞典などで書かれている説明では、
「used when you want to emphasize something that you are adding to a list」のようになっています。こちらの英文説明書きを翻訳しますと、「羅列事項やリストなどにあるものを追加することで、そのものを強調したいときに使われます。」のようになります。「述べない」のではなくて「何かを強調して述べる」ために使うというものなんですね。
それではこれまでの説明で意味と使い方を何となく理解されたとしまして、次は簡単な例文で考えてみましょう。
Wow! There are so many sweets on the table, cakes, candies, chocolates, ice creams, cookies, not to mention pumpkin pies.
とてもたくさんのお菓子がテーブルの上にありますよ、ケーキ、キャンディ、チョコレート、アイスクリーム、クッキー、言うまでもありませんが、パンプキンパイもありますよ。
理解できましたでしょうか?とてもお腹が空いてくる例文ですが、色々なお菓子がテーブルの上にズラリと並べられている中でパンプキンパイは恐らくこのご家庭では定番となっているのでしょう。もしくは感謝祭サンクスギビングの期間中なのかもしれませんね。
この「not to mention」、もしあまりにも深く考えすぎて意味がわからなくなるという感じでしたら、もうそのままフレーズと意味を頭の中でリンクさせて丸ごと覚えてしまうのが手っ取り早くて良い方法となります。
「not to mention」の同意語となるフレーズ
このフレーズには別名のようなフレーズも存在します。それは「let alone」です。
let ... 放っておく、~させてやる
alone ... 一人で、孤立させて
また一語一語考えていくと意味が分からなくなるようなものですが、同じ意味のフレーズですので翻訳をしてみますと、「~はもちろんのこと、~は言うまでもありません」
英語辞典などでの説明書きでは
「used to indicate that something is far less likely or suitable than something else already mentioned.」となっています。翻訳してみますとつまり、「先に既に述べられたOOなどよりも遥かに劣る、もしくは不適合な事項を指示する時などに使われます」という風になります。この説明文の通り、この「let alone」は述べられた羅列事項やリストに対して更にネガティブなものを追加することに使われている頻度が高くなっているようです。
それでは例文を使って考えてみましょう。
He cannot eat vegetables, fruits, fish, meat, let alone sweets.
彼は野菜、フルーツ、魚、肉を食べることが出来ません。言うまでもなくお菓子もです。
先程の「not to mention」と少し繋げて考えられるようにして作った例文です。ちょっと悲しい例文になってしまいましたが「let alone」のフレーズの使い方としては理にかなっています。
いかがでしたでしょうか?
「not to mention」と「let alone」は少し違っていても同じ意味合いを持つ英語フレーズ。
つまりsynonym(類語)です。同じフレーズの仲間としてぜひとも一緒に覚えておいて下さい。