日本語の「がんばって」は英語に訳しにくい言葉の一つですよね。この言葉には、くじけそうな人を励ますニュアンスがあります。この「諦めずにがんばって!」という気持ちを表すのに用いられる英語が「Hang in there」です。
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Hang in there ( がんばって! ) の使い方
このまま訳すと、「その場所で持ちこたえて!」となり、ここから転じて、「辛い状況下でも、なんとか持ちこたえて」という励ましの意味になります。
Hang in there. は次のように使うことが出来ます。
I am fed up with living in the States.
アメリカに住むのはもうウンザリだ!
※be fed up with(にはウンザリだ。)
Don't say that. Hang in there!
まあそう言わずに。がんばって!
私がアメリカに留学して間もないころのルームメイトとの会話です。英語には自信があったのですが、渡米してみると、勝手の分からないことばかり。生活するには英語が不可欠なので、学校に通っていましたが、学校でも先生の指示が分からない。
最初は、聞こえる単語を全てノートにメモして、帰宅後暗号解読のようにその日のノートを見返していました。また、お店で買い物をしていて、接客をされた際いつまでも、Are you visiting?(旅行ですか?)と言われていました。
こんなに英語漬けの毎日なのに、全然英語でコミュニケーションが出来ない!とフラストレーションが溜まっていた時、ルームメイトに愚痴ったのが、I am fed up with living in the State. (アメリカに住むのはもううんざりだ!)だったのです。ルームメイトは高校生の時に移住した移民だったので、I know how you feel.(気持ち分かるよ。)Hang in there!(応援してるよ!)と私を励ましてくれました。
本当になんでアメリカに留学してしまったのかと悩むことも多々有りましたが、側に励ましてくれる友人がいたことは、本当に心強かったです。
このHang in there. 発音が少し難しいのです。最初ルームメイトに言われた時は聞き取れず、何度か聞き返しました。このまま「ハングインゼア」とは文字通りには発音されません。正しくは「ハンギンゼア」です。Hangのgとinのiがリエゾン(2つの単語が連結して発音が変化すること)されてこのような音になります。何度か口に出して発音してみて下さい。強勢は「ギン」の部分において下さいね。
Hang in there 他の使い方
このHang in there.まだまだ色々なシュチュエーションで使うことが出来ます。
例えば、
色々な困難を経験してきた友人を励ます際
I know you've been through a lot but hang in there !
色々苦労してきたのは知ってるけどさ、頑張りなよ。
*have been through a lot
色々な経験をしてきた。主に、困難な状況を切り抜けてきた際に使う。
仕事に行き詰まっている友人を励ます際
I hate my job. I want to quit!
仕事いやだ。もう辞めたい!
Hang in there.
がんばって!
難しい課題に取り組んでいる友人を励ます際
I don't think I can do this.
もうホント無理!
Hang in there.
がんばって!
You can do it! との違い
さて、このHang in there.と同じよな意味を表す、You can do it!(大丈夫だよ。出来るって!)というフレーズがあります。こちらは、「できる」に焦点がありますので、その人には与えられた試練に打ち勝つ能力があるということを表します。
例えば、
告白出来ないと尻込みする友人に、勇気を出すよう促す際
I don't think I can call her to say I love you.
彼女に電話して愛してるなんて言えないよ。
Come on. You can do it.
おいおい。大丈夫。出来るって。
仕事を放り投げようとする同僚を注意する際
I don't think I can get this done today.
今日中には終わりそうにないよ。
*get something done(仕上げる)
No way. You can do it.
おいおい。大丈夫。出来るって。
私の場合、Let's go jogging every morning!(毎朝ジョギングしよう!)と言われて、No way!(無理だって。)と返事をした際、You can do it!(大丈夫。出来るって。)と言われました。そう言われても、無理なものは無理と断りましたが。
「がんばって!」本当に訳しにくい日本語ですよね。短い言葉ですが、色々な意味が込められている言葉。この日本語を表すにはそれぞれのシュチュエーションに合わせた英語をチョイスすることが必要です。
みなさんも、なかなか結果がでなくて悩んでいる友人に相談された時は、Hang in there!(がんばって!)と言って励ましてみてはいかがでしょうか?きっとその友人は、私のように、心強く感じるでしょう。また、なかなか勇気がでなくて尻込みしている人や、諦めかけている人にYou can do it!(君なら出来る!)と言って背中をおしてあげるのもいいですね。